『みけねこキャラコ』
どいかや/文・絵
トムズボックス/出版社
1998年/出版年
ほぼネタバレなあらすじ
白黒茶の三毛猫なのに見つけにくいところに茶色のぶちがあるキャラコ。
キャラコは分かりやすい三毛猫になるために、絵の具を塗るなどいろいろ挑戦するが、失敗ばかり。
みかねた黒猫ばあさんのアドバイスで、茶色のぶちをブラッシュアップ、ブラシをかけたり嫌いなものも食べたりすると、皆に褒められるようになり、キャラコは隠れた場所にある茶色のぶちが好きになる。
感想
猫が好きなので、何より愛嬌がありすぎる猫の表紙にキュンとして、手に取る。正解です。
招き猫スタイルを極めろ!
主人公キャラコは三毛猫であることにアイデンティティを持つ猫、自分が三毛猫であると証明できる茶色は招き猫スタイルにならないと見えない、それ故に挨拶時には常に招き猫と化す。
当人(当猫?)大真面目な分、イラストが可愛い分、シリアスな笑いが引き立ちます。
でも、この招き猫スタイルを極めることで、本当に福を招くことになるから、この絵本は侮れない面白さがあると思う。
どいかやさんのイラストに脱帽です
それにしてもイラストが良い!可愛いくて温かみのある絵で癒されます。
猫の顔は単純なのだけど、とても表情が豊か、時折絶妙な吹き出しのセリフがつき、キャラコの心情を余すことなく伝えてくれます。
どのキャラコも魅力的なのだけど、私は脱白黒猫作戦を失敗したときの残念そうな顔がお気に入り。
可哀想なのだけど、何とも猫らしくな方法で、かつ一生懸命に試行錯誤を繰り返しているので、何とかの子ほどは可愛いという心境になりますよ。
ピンチをチャンスに!&ネバーギブアップ!
黒猫ばあさんの嘘も方便、さすが年の功というところか、重要な転機となる。実際、キャラコは黒猫ばあさんのはったりを受け、努力の方向を180度転換した結果、弱点だった茶色のぶちを美点へ転じることができた。
きっとこの展開こそがこのお話のメッセージ何だろうなあ。つまり、上手くいかないと拗ねてしまいたくなるけれど(キャラコの気持ちは十二分に分かる!)、それを乗り越えて、正しい方向に努力を重ねれば、自信もつくし、いつか思わぬ形で認めてもらえるよと。
言うは易く行うは難しだけれど、物事をなすにはすごく重要なこと。こんな可愛い絵本を通じて、それが伝えるとは、すごいなと思う。
娘 leafは結構気に入ってました。読み聞かせは3歳ぐらいからでも大丈夫じゃないかな。
娘 leafの感想

育児の中で気づいたことや役立つことなどをまとめています。
どうぞよろしくお願いいたします!