可愛い子には旅をさせよ!絵本レビュー『こんとあき』林明子/作 福音館書店 1989年

こんとあき (日本傑作絵本シリーズ)

『こんとあき』
林明子/作
福音館書店/出版社
1989年/出版年

ほぼネタバレなあらすじ

「あき」とあきのために作られたキツネのぬいぐるみの「こん」の小旅行。

くたびれて腕が綻びてしまったこんを修繕するために、さきゅうまちに住む製作者のおばあちゃんのところへ電車に乗って会いに行く。

途中、こんのしっぽが電車のドアに挟まれたり、砂丘でこんが犬に攫われたりというトラブルはあったものの、無事おばあちゃんの家にたどり着き、こんは出来たてのように綺麗になる。

感想

林明子の絵が好きで手に取る。

「ライナスの毛布」であるこんだけど

こんがいじましい。
こんは、あきを守るために、文字通り体を張って頑張り続ける。

しっぽが電車のドアに挟まれたときも痛いと言わず、埋められた砂丘から救出されたときも「だいじょうぶだいじょうぶ」と言い続け、あきを安心させようととにかく必死!

あきにとってこんは「ライナスの毛布」なのだろうけど、こんにとってあきはお世話するご主人様ではなくて大事な妹なのかな。

こん視点で物語を読んでいくと、守られている感が強くちょっと嬉しくなる。娘 leafにもこんみたいな存在がある(寝るときは勿論病院に行くときも持っていく)けれど、また米粒つけやがってとかではなく、一緒で幸せとか思ってくれていると嬉しいなと思った。

小さな旅で大きな成長、まさに「可愛い子には旅をさせよ」

あきもいじましい。
不安でいっぱいだろうに、こんのいうことをちゃんと守ってお留守番したり、弱ったこんを背負っておばあちゃんの家に向かったりと大活躍していた。

最初はこんに守られてばかりだったけれど、電車でのトラブルを乗り越えたことで成長したのか、最後にはこんを助ける側にもなった。

「可愛い子には旅をさせよ」ではないけれど、あきはこの旅を通じてすごく成長した。

羨ましい!あきに娘leafをちょっと重ねている私は、leafにお母さんなしで旅をしてみたいか聞いたところ、即拒否!

まあ、物語と現実は違うよねと思いつつもちょっと残念な気がしないでもない。

車掌さんに感謝

電車の車掌さんが、サービス上これが普通なのかもしれないけれど、とても優しい。

こんが帰って来なくて泣いたあきにこんの居場所を教えたり、ぺしゃんこになったこんのしっぽに包帯を巻いてくれたり、ほんわか心が暖かなる。

電車を降りたときのイラストがお互い笑顔で手を振っていて、何だか心に残った。

実際、子供連れて歩くと、心無い言葉や態度に傷ついたりすることもあるけれど、優しい言葉をかけてくれたり、笑顔を向けてくれたりと顔見知りの職員・店員さんは勿論、見ず知らず周囲の人やに助けられていることが多い。

こういう出会いを大切にしたいと思う今日この頃です。

文章量が多いけれど、あきとleafは同じくらいの年だから上手く感情移入して物語の世界に入り込めるかなと思ったら予想は大当たり!

こんのピンチにはドキドキハラハラして、思わずニヤリ。
読みきかせはちょっと文章多めなので、4・5歳ぐらいからかと。

娘 leafの感想

娘 Leaf
(表紙の)オレンジの電車が好き。
旅に行くときはyellowとお母さんと行く。
母 Lily
オレンジハンターだね。
お父さんも誘ってあげて。
父 Arb
ん?